噛み合わせ・顎関節症治療
その不調の原因は「噛み合わせ」にあるかもしれません

「なんとなく顎がだるい」「口を開けるとカクカク音がする」「慢性的な肩こりや頭痛が治らない」
このような症状に悩まされ、整体やマッサージに通っても改善しない場合、その原因はお口の中、「噛み合わせ」や「顎関節(がくかんせつ)」にある可能性が高いと言えます。
噛み合わせは単に食事をするための機能だけではありません。
重い頭を支え、全身のバランスを保つための重要な役割を担っています。
ほんの髪の毛1本分の噛み合わせのズレであっても、脳はそれを違和感として感知し、無意識のうちに顎や首の筋肉に緊張を強います。
その積み重ねが顎の痛みや全身の不調となって現れるのです。
宮本医院の歯科では対処療法的なマッサージだけでなく、不調の根本原因である「噛み合わせ」と「顎の機能」に着目した治療を行います。
口腔外科認定医と矯正認定医が在籍する当院だからこそできる、多角的な視点からの診断と治療で、患者様の健康な日常生活を取り戻します。
口腔外科認定医による専門的な顎関節症治療

顎関節症(がくかんせつしょう)は顎の関節やそれを支える筋肉(咀嚼筋)に異常が生じる病気です。
「口が開かない」「顎が痛い」といった症状は、生活の質を著しく低下させます。
顎関節症の治療は歯科の中でも特に専門性が求められる分野です。
なぜなら、顎の関節は非常に複雑な構造をしており、原因も噛み合わせ、ストレス、生活習慣などが複雑に絡み合っているため、正確な診断が難しいからです。
当院では顎関節や口腔領域の外科的疾患に精通した「口腔外科認定医」が診断と治療を担当します。
一般的な歯科医師では判断が難しいケースや、他の病気との鑑別が必要なケースであっても、専門的な知見に基づいて的確に対応いたします。
長年、顎の不調に悩まされている方は認定医のいる当院へご相談ください。
3大症状とセルフチェック

顎関節症には代表的な3つの症状があります。
これらに一つでも当てはまる場合は、顎関節症の疑いがあります。
- 顎関節雑音(カクカク、ジャリジャリ音がする)
- 口を開け閉めする時に耳の前あたりで「カクッ」「コキッ」という音がしたり、「ジャリジャリ」「ミシミシ」と砂が擦れるような音がしたりします。これは関節の中にあるクッション(関節円板)がズレていたり、骨同士が擦れ合ったりしているサインです。
- 顎関節痛・咀嚼筋痛(顎やこめかみが痛い)
- 口を開けようとすると顎の関節が痛んだり、食事をする時に頬やこめかみの筋肉が痛んだりします。朝起きた時に顎が疲れていると感じる場合も、夜間の食いしばりによる筋肉痛の可能性があります。
- 開口障害(口が大きく開かない)
- 正常な状態であれば縦に指が3本入ります。指が2本以下しか入らない、あるいは痛みで開けられない場合は、関節円板が引っかかっていたり、筋肉が拘縮(固まること)していたりする状態です。無理に開けようとすると症状が悪化するため、早急な処置が必要です。
CTスキャンを用いた精密な骨形態診断
顎関節症の診断においてレントゲン検査は欠かせません。
しかし、一般的なパノラマレントゲン(2次元)では顎の関節の形や骨の変形を正確に把握することには限界があります。
当院では顎関節の診断に「歯科用CT(3次元断層撮影装置)」を使用します。
CT撮影を行うことで、下顎頭(かがくとう)と呼ばれる顎の関節部分の骨が変形していないか、骨吸収が起きていないか、関節の隙間が狭くなっていないかを立体的に詳細に確認することができます。
「ただの顎関節症だと思っていたら、実はリウマチによる骨の変形だった」
「関節の中に腫瘍ができていた」
稀ではありますが、そのようなケースも存在します。
口腔外科認定医がCT画像を読影し、危険な病気を見逃さない精密な診断を行います。
噛み合わせ治療のアプローチ【矯正治療との連携】
噛み合わせが悪くなる原因は、歯並びの乱れや、歯の欠損(抜けたまま放置すること)、詰め物の高さが合っていないことなど様々です。
当院では噛み合わせの治療を単独で行うだけでなく、「矯正治療の一環」として行うことが多いのが特徴です。
削って合わせるのではなく、位置を正す

噛み合わせが悪いからといって、安易に健康な歯を削って調整することは当院では推奨しません。
歯を削れば一時的に当たりは良くなるかもしれませんが、歯の寿命を縮めたり、噛み合わせの高さが低くなって余計に顎への負担が増したりするリスクがあるからです。
私たちは歯並びそのものを整える「矯正治療」によって、正しい噛み合わせを構築することを基本としています。
矯正認定医と連携し、ワイヤー矯正を用いて歯を本来あるべき位置に移動させ、上下の歯が理想的に噛み合う環境を作ります。
これが、最も生理的で、長期的に安定する根本治療であると考えています。
全身のバランスを考慮した治療
噛み合わせが整うと、頭の位置が安定し、首や肩への負担が軽減されます。
「矯正治療をしたら長年の偏頭痛が消えた」「肩こりが楽になった」
そのような患者様のお声も多くいただきます。
見た目の美しさだけでなく、機能の回復を目指した治療を行います。
顎関節症の治療メニュー
顎関節症の治療は手術などの外科的な方法ではなく、保存療法(手術をしない治療)が第一選択となります。患者様の症状や原因に合わせて、以下の治療法を組み合わせて行います。
スプリント療法(マウスピース)
最も一般的で効果の高い治療法です。
「オクルーザルスプリント」と呼ばれる透明なマウスピースを、主に就寝中に装着していただきます。これにより、以下の効果が期待できます。
- 顎関節への負担軽減
- 顎の関節にかかる圧力を分散させ、関節内部の安静を保ちます。
- 筋肉の緊張緩和
- 噛み合わせの高さをわずかに上げることで、緊張していた咀嚼筋(噛む筋肉)をリラックスさせ、痛みやこりを和らげます。
- 歯ぎしり・食いしばりのダメージ軽減
- 歯と歯が直接当たるのを防ぎ、歯の摩耗や破折を防止します。
薬物療法
痛みが強く、口を開けるのも辛い急性期には、お薬を使用します。
- 消炎鎮痛剤(NSAIDs)
- 関節や筋肉の炎症を抑え、痛みを和らげます。
- 筋弛緩薬
- 筋肉の緊張が強い場合に、筋肉をほぐすお薬を処方することがあります。
理学療法・運動療法
凝り固まった筋肉をほぐし、顎の動きをスムーズにするための療法です。
- マッサージ
- 頬やこめかみの筋肉を温めたりマッサージしたりして血行を良くします。
- 開口訓練
- 指を使って少しずつ口を開ける練習をし、関節の可動域を広げます。
生活習慣の改善指導
顎関節症の多くは日常生活の「癖」が原因で発症・悪化します。
以下の項目に心当たりがある方は、それらを意識して止めるだけで症状が改善することがあります。
- 頬杖をつく
- うつ伏せ寝をする
- 片側の歯だけで噛む(偏咀嚼)
- 食いしばり(TCH)
- 硬いものを好んで食べる(フランスパン、スルメなど)
特に重要なのが「TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)」の改善です。
通常、リラックスしている時は上下の歯は離れています。
しかし、ストレスや集中作業中に無意識に歯を接触させている方がいます。
これが顎への大きな負担となります。「歯を離す」ことを意識する行動療法指導を行います。
医科併設ならではの「除外診断」

顎の痛みや顔面の痛みは必ずしも歯科領域の病気とは限りません。
心筋梗塞や狭心症の発作として顎が痛むこともあれば、耳鼻科疾患や脳神経外科疾患(三叉神経痛など)が原因の場合もあります。
一般的な歯科医院ではこれらの鑑別(見極め)が難しく、診断がつかずに「原因不明」とされることもあります。
当院は内科・循環器内科・外科などを有する「宮本医院」に併設されています。
もし、歯科的な診察で異常が見つからない場合や、全身疾患の関与が疑われる場合は、速やかに併設の医科ドクターと連携し、精査を行うことができます。
「顎が痛いけれど、原因が歯なのか心臓なのか分からない」
そのような不安をお持ちの方にとって、医科と歯科が一体となった当院の環境は大きな安心材料となります。
治療の流れ
問診・カウンセリング
どのような時に痛むのか、いつから症状があるのか、生活習慣やストレスの有無などについて詳しくお伺いします。
検査・診断
お口の中を拝見し、噛み合わせや歯の摩耗具合を確認します。お顔の筋肉の触診、顎関節の雑音の有無、開口量の測定を行います。さらに、パノラマレントゲンや歯科用CTを撮影し、骨の状態を精密に診断します。
治療計画の説明
診断結果に基づき、現在の状態と原因、適切な治療法についてご説明します。スプリント療法を行うか、お薬で様子を見るか、あるいは矯正治療を検討するかなど、患者様のご希望も踏まえて決定します。
治療開始
スプリントを作製する場合は型取りを行います。完成したスプリントを調整し、使用方法をご説明します。生活習慣の指導や、ご自宅でできるマッサージ方法などもお伝えします。
経過観察・メンテナンス
定期的に通院していただき、症状の変化を確認します。スプリントの調整や、噛み合わせの微調整を行いながら、症状の消失を目指します。矯正治療へ移行する場合は、症状が落ち着いてから開始します。
よくある質問(噛み合わせ・顎関節症)
Q. 顎関節症は自然に治りますか?
A. 一時的な筋肉痛程度であれば、安静にしていれば自然に治ることもあります。
しかし、関節の中の円板がズレてしまっている場合や、骨の変形が起きている場合は放置しても治りません。むしろ、悪化して口が開かなくなる恐れがあります。
自己判断せず、一度認定医の診断を受けることをお勧めします。
Q. マウスピースはずっと着けていないといけませんか?
A. 基本的には「就寝中のみ」の装着で十分な効果が得られます。
日中は食いしばらないように意識する(認知行動療法)ことで対応します。
症状が改善すれば装着を終了することも可能ですし、歯ぎしりの予防として継続して使用される方もいらっしゃいます。
Q. 歯ぎしりは治りますか?
A. 歯ぎしりそのものを完全に止める方法は現在の医学では確立されていません。
歯ぎしりはストレス発散のために脳が行っている生理現象という側面もあるからです。
治療の目的は歯ぎしりを止めることではなく、歯ぎしりによって生じる「破壊的な力」から歯や顎を守ること(スプリント療法など)になります。
Q. どんな時に病院へ行けばいいですか?
A. 「口を開けると痛い」「口が指2本分開かない」「顎の音が気になって食事が楽しめない」といった症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。特に、痛みがある場合は炎症が起きていますので、我慢せずにご来院ください。
Q. 親知らずが原因で顎が痛くなることはありますか?
A. はい、あります。親知らずが歯茎の炎症(智歯周囲炎)を起こすと、その炎症が顎の筋肉に広がり、口が開かなくなったり痛みが出たりすることがあります。
この場合は親知らずの抜歯や消炎処置を行うことで症状が改善します。
Q. 市販のマウスピースを使ってもいいですか?
A. お勧めしません。
市販のものはご自身の歯型に合わせて精密に作られたものではないため、適合が悪く、かえって噛み合わせを狂わせたり、顎の痛みを悪化させたりするリスクがあります。
歯科医院で口腔外科認定医が調整した専用のスプリントを使用することが、治療の近道です。
快適な毎日を取り戻すために

噛み合わせの不調は、目に見えにくい分、ご本人にしか分からない辛さがあります。
「どこに行っても治らない」と諦めてしまう前に、宮本医院の歯科にご相談ください。
当院では口腔外科と矯正歯科、そして医科の知識を結集し、患者様の苦痛を取り除くために全力を尽くします。
顎が楽になると、身体も心も驚くほど軽くなります。快適な毎日を取り戻す第一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。

048-971-5351